【木造住宅】屋根の構造とは?【初心者向け解説】

2024年 04月09日

さて、今回勉強したのは、はじめの一歩。そもそも屋根って何からできているの?どんな構造になっているの?というお話です。
屋根は私たちを暑さや寒さ、風雨などから守ってくれる、快適な暮らしには欠かせない存在です。ですが、普段その屋根について意識を向けることはほとんどないのではないでしょうか。
屋根にまつわるトラブルとしてよくあげられるものとしては、雨漏りをはじめとして、塗装の劣化や損傷などによる外見の低下断熱、遮音性の低下などがあげられるでしょう。
これらトラブルの出方は様々ですが、それらは屋根の構造と密接にかかわっています。

さて、ここにかわいらしい赤い屋根の家があります。
この屋根はざっくり大きく3つの部分に分けられます。
つまり、下地屋根材、そして雨樋です。

下地(骨組み、野地板、ルーフィング)

骨組み層

木造住宅では家の大まかな間取りや外見を形作る骨組みを木で作ります。
屋根の形を作っている部分にも骨組みをつくり、これが屋根を支えています。これを「小屋組」と呼んでいます。

屋根のイメージ。画像上に突き出ているのが棟木、そこから垂木が地面に向かって伸びています

このとき、屋根の三角形の頂点に位置する横棒を棟木(むなぎ)といい、軒先に位置する横棒を軒桁(のきげた)といいます。言ってしまえば、この二本の位置によって、屋根にどのくらいの傾斜がつくかが決まってきます。例えば降雪地帯であれば、この傾斜を四寸(訳22度)ほどに鋭くすることで雪が屋根に降り積もることを防ぐことができるでしょう。
そして、横棒である母屋(もや)、縦棒である垂木(たるき)で構造を作り、その上に野地板(のじいた)と呼ばれる板を建てることで、屋根の基礎を形作っています。
(小屋組みでは屋根の重量を支えるために実際はより複雑な構造をしており、ここではかなり端折っています。今後当ブログでも取り扱う予定ですが、気になる方は調べてみると面白いかもしれません。)

野地板を敷いた屋根のイメージ
ルーフィング

さて、木の骨組みと野地板によって、屋根の大まかな形はできました。しかし、この段階ではまだ木ですので、当然、雨や雪などの水濡れ、あるいは日光などの熱にさらされることに弱いです。
そこで、ルーフィングと呼ばれる防水シートを屋根に貼ることで、屋根を守ります。

ルーフィングを張り付けた屋根

近年は、主に紙や不織布にアスファルトを浸透させた「アスファルトルーフィング」が主流です。アスファルトといえば道路の舗装にも利用されている防水性の高い物質です。
一方で、このルーフィングの施工が不十分だったり、経年劣化してくると、雨漏り等が発生してしまうことがあります。
そこで、近年はポリマーなどを配合しさらに防水性、耐久性を高めた改質アスファルトと呼ばれるアスファルトを利用したルーフィングも登場しており、普及してきているようです。
薄いながらに、とても大事な層だということができます。

屋根材

次に屋根材です。「屋根を葺く(ふく)」という言葉は、本来この屋根材を設置することを指します。
屋根材を設置することで、みなさんが普段見慣れた屋根そのものとなります。
屋根材といっても昔ながらの茅葺のようなものから瓦、人工素材など、形、重さも様々です。これを用途や好みによって選んでいきます。
この屋根材によって屋根、ひいては家全体の印象が大きく変わってくるので、家の見た目にこだわりたい、という人にとっては重要な要素といえるでしょう。
一方で、屋根材は、雨や直射日光などを最初に受ける部分であるため、劣化や退色などが問題となります。こうした。屋根材へのダメージがもととなり、雨漏りや外観の劣化、遮熱性の低下などの重大なトラブルに発展することも少なくありません。

洋風の瓦のイメージ
スレートと呼ばれる屋根材のイメージ。スレート板と呼ばれる小型の薄く平たい板を隙間なく並べていく葺き方です。日本では、「コロニアル」という製品に代表される、長方形のスレートが安価で耐久性も高いため、よく利用されます。

雨樋

屋根に欠かせないのが雨樋です。ご存じのように、雨樋は屋根という「面」に降り注いだ雨やその他を軒先で集め、下水や地面に流していきます。

雨樋のイメージ。オーソドックスな半円状の丸樋(まるどい)と呼ばれるタイプ

雨樋は多くの場合、先に紹介した柱の部分でいう軒桁、あるいは垂木の先端に設置されます。雨樋も最も安価なプラスティックのものからアルミなどの金属のものがあり、形状も様々です。
これも風雨にさらされているため劣化し、壊れてしまうことがあります。また。場所によっては落ち葉やごみなどによって詰まってしまうことなどもあります。近年豪雨が頻発していることもあり、こうした雨樋の破損、故障は、地面や家屋へのダメージにもつながります。そこで、定期的な補修、メンテナンスが重要となります。

おわりに

今回は、屋根の構造について大枠となる部分について学んできました。
小屋組、ルーフィング、屋根材、雨樋。どれも屋根をつくるうえで欠かすことができない要素です。弊社はこれら一つ一つに丁寧に向き合い、屋根が長くお客様の生活を守ることができるよう取り組んでまいります。

次回からは、このような初心者向け解説と並行して、実際に取り扱った現場の体験談なども書いていく予定です。お見逃しなく!

著者情報

株式会社東京サービス

株式会社東京サービスは東京多摩地域を拠点に、屋根や外壁、雨樋の工事をはじめとした各種工事の施工に携わっている小さな会社です。
国立市で創業70年以上の歴史を持つサトウグループの一員として、地域のお客様の様々なニーズにお応えしています。
本ブログでは、業界未経験の新入社員Mが、屋根工事やその他工事について様々なことを勉強し、わかりやすい解説をモットーに、備忘録的に書き記していきます。
もちろん、掲載に当たっては経験豊富な先輩たちに内容の監修をいただいていますのでご安心下さい♪

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